ちょっとしたブルーを紐解く

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ちょっとブルーな気分になることってすごくたくさんある。

直近では、ケータイを機種変したのだけど、古いケータイを手放すことがブルーな気分を連れてきた。

3年半程使ったモデルだから、もはや化石。

バッテリーもすぐに切れてしまうので、保険でバッテリー交換をしようと思ってショップに行ったら、有無を言わさない勢いで説得され、機種変することになった。

この古いのを手放すなんて思いもしなかったから心の準備も何もあったものじゃない。

じゃあ、置いておけばいいじゃないかと思うけど、下取りにださないと高額な機種代金を定価で払うことになってしまう。

下取りはマストな選択なのだった。

しかもデータを移行してしまえば、新旧まったく同じ中身なのだ。

古いほうを持ち続ける意味はない。

数日そのまま放置していたけど、重い腰を上げて、古いケータイを初期化する。

5分程度の操作で初期化完了。

再起動してみると、「こんにちは」という文字が明るくなった画面に表示された。

待ち受け画像もない。パスコードも聞かれない。

やれやれ。

こんなにもあっさりと、すんなりと、わたしのものだったという痕跡は消滅するのか。

そう思ったら、スーンと心にブルーがふってきた。

山ほどこのケータイと一緒に出かけて写真とって、なんやらかんやらたくさん楽しんできたなぁ。

最新の立派なケータイがあって、すべては今まで以上なのに、このブルーでセンチメンタルな気持ちは何なのか。

「愛着」だなきっとこれは。

もしくは「情」。

いつも一緒にいて、親しんでいた。慣れていた。当たり前だった。

ちょっと待てよ・・と思った。

これを断ち切るときの気持ち。

前にも経験したな。

そうだ!これの1000万倍ほどの強烈な気持ちを断ち切って、パートナーと別れたんだった。

気づくとあっさり。

え?そんなすごい偉業を達成したわたしなんだから、この子(古いケータイ)を手放すなんて朝飯前だわ。

そんなわけで、一瞬、思いにふけって止まりかけた動作は瞬時に再開し、お古のケータイはあっという間に専用の封筒に入れられ、ポストに投函されたのだった。

最近、よく思うことがある。

思いってのは、いつでもどこでもふっと湧いてきて、付随する感情も山ほど出てきて、

それがネガティブだったりすると、心が固まって動作も止まってしまう。

感情に支配されていたわたしの日常はいつもそんな風に間延びしていた。

だけど、ふいに浮かんできた思いや感情について、その根にあるものまで迫っていって、正体をつかもうときちんと思考した場合、ちゃんと前に進むことができる。

だって、その多くは恐るるに足らないものばかりだから。

「なんだ。それって今のわたしには全く関係のないことじゃん」って思うことができる。

悩む暇があるなら、ちゃんと目の前のゴミを片づけよう、と思える。

わたしの頭の中はゴミだらけだ。

一つずつ、拾ってゴミ箱に捨てていこう。

明日は今日より、半歩だけ前に進もう!

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