先日、渡辺貞夫カルテットのライブに誘われて行ってきた。
ジャズのライブは久しぶりで、ほんとに楽しかった。
前から2列目の真ん中の席でとても見やすい特等席だった。
顔の表情まですごくよく見える。
渡辺貞夫さんのサックスと、ピアノ、ウッドベース、ドラムのカルテットは、お互いに目配せして音を聞き合って、即興を楽しんでいた。
相手の音に共感し、褒め讃えて、音を尊敬していた。
実に楽しそうに演奏していた。
こっちまで笑顔になった。
渡辺貞夫さんは日本の代表的なサックス奏者で御年92歳。
なんとわたしと同じ誕生日だと知り、それでまた嬉しくなる!
私は昔からブルージャイアントと言う漫画が好きだ。
主人公のサックス奏者の宮本大君、こんな日本人なかなかいないだろうって思ってた。
宮本大が老年期に入るとこんな風になるんだろうか?
生きがいや趣味が仕事になり、それが人を喜ばせることにつながるのは本当に幸せなことだと思った。
神様から選ばれた人間だ。
私の仕事は看護師だけど、看護師という仕事が好きな人っているのかな?
確かにエッセンシャルワーカーとして人の役に立つ、人に喜ばれる仕事である事は間違いない。
患者さんが治って退院していく姿や、「ありがとう」と感謝されると涙が出そうなほど嬉しい。
だけど、苦しい。
汚いし、夜勤があれば昼夜逆転するし、いつも緊張で張りつめていて、医者からも怒鳴られ、患者のわがままにも対応し、同僚の愚痴も聞かされる。
朝来た瞬間から帰りたいと思い、職場にいるだけで、エネルギーが吸い取られる。
実際、仕事に生きがいを見出している看護師に会ったことはない。
感謝や喜びというポジティブな感情よりも、汚くて卑しいドロドロしたネガティブな感情が圧倒的に強いからだと思う。
小さな喜びはすぐにかき消される。
「あの医者から、あんなこと言われて、あぁ~腹が立つ!」
「先輩、座って愚痴ってばかりで、たまにはナースコール行ってよ!」
看護師してると、一日1万回くらい嫌な感情が出てくる。
それでも、自分が頑張らなければ・・・
わたしがいないと職場に迷惑がかかるから・・・
休みたいなんて怖くて言い出せない・・・
こんな気持ちを一生懸命胸に抱いて、
そんで自分で自分の考えに疲弊していって、
やっときた休日も朝から明日一緒に働くメンバーを思い、モチベが上がらずベッドから動けないまま1日が終わる。
こんなふうに心を病んで休養や退職した、わたしと同じケースの看護師もたくさんいた。
むしろ40歳まで頑張れたわたしは、息の長い方だったのかもしれない。
だから、この仕事に生きがいを見出すのは無理。
だから生きていくための必要不可欠なお金のための仕事だと割り切って!
看護師は、仕事のために心を砕いては絶対ダメ!
適当にしろとか、優しくする必要はないっていう意味じゃないよ。
あなたは看護師になった時点で人のために尽くそうとしている。
真の優しい人だ。
だけどね、看護師=あなた、じゃない。
看護師としてのあなたは一つの側面でしかないんだよ。
ここで出世して昇給して・・っていう未来もあるかもしれないけど、
でも、心を壊したら、あなたの人生すべてが狂っていっちゃうんだよ!
わたしはモラハラを受けて適応障害になって、逃げるように帰ってきた。
涙が止まらなくて目の前が見えなくなった。
3か月前のその日、神様からの強制終了がかかったんだと思ってる。
そこから、今日まで毎日苦しい。
仕事中に受けた苦しさが癒えてきたとしても、年齢を積み重ねて女性としての機能を失っていくことや、一人で生きるさみしさや、貯蓄が目減りする恐怖なんかと毎日戦っている。
現代に生きる女性は、こんなに日常の苦悩にあふれている。
だから、仕事で心を砕くことだけはやめてほしい。
だって仕事はね、なんとかなる。
贅沢しなければ、わたしのようにバイト生活をしたっていいし。
長い人生の今だけの息抜きだと思って、失業手当もらいながら、家に引きこもったっていい。
しかも、あなたに辞められた職場側も、あなた一人がいなくても、なんとかなる。
シフトが~なんて思っていても、会社は回る。
何より1番に考えないといけないのは、あなたの心のこと。
自分の人生を犠牲にしたくないなら、一旦看護師を辞めるのはすごくいい選択だと思う!
辞めた後、「また看護師に戻りたい」って思えるなら、それだけあなたが看護師という職業が好きだと気づけたってことだし、そこからはもっと愛をもって仕事に取り組めるかもしれない。
看護師なら、必ず次の職場は見つかる。
明日は今日より、半歩だけ前に進もう!
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