整体師Kさんは、おそらく60歳前後のおばちゃん。
いつも、異様なテンションの高さだ。
そのマッサージ屋は駅前の一等地にありながら、どこが入口かわからないほどの細い階段を上っていく。
目の前に5段目が突きつけられているように感じるほどの急な階段。
息切れしながら「こんにちは、、、」と入ると
「あぁっっ!○○ちゃ~ん!いらっしゃぁぁぁい❤」
というようなパワフルさで迎えられる。
とても疲れた気分で行くと、このテンションでまた少し下がる。
癒されに来たのに、この声は、無理やりわたしの声のトーンを引きずり上げる。
「アッ今日もお願いしますっっ!今日は首から肩がすごく痛くなっちゃってぇぇ!!」
わたし、ふだん、こんな熱いテンションでは話さない。
腕は間違いないこのKさん。だから数年通っているのだが、
施術中も、わたしが仰向けだろうが、うつ伏せだろうが、かまわず、話しかけてくる。
「○○ちゃん、ちゃんとお水とってるぅぅ~~??筋肉固くなってるよぉぉ~??」
「だ、大丈夫、一日1.5~2Lは飲んでます。zzz」
少し寝たい、とわたしがいうと優しいKさんは、
「オッケーわかった!ゆっくり寝て疲れとってね!」
痛気持ちいい最高の指圧で眠りに入りかけたころ、
「○○ちゃーん、強さ、このくらいで押しても大丈夫~~!?」
と眼窩のマッサージ。
なんつー強烈な目覚め!。眼球を強く圧迫され、わたしは天地がひっくり返ったような混乱💦
「ちょっと待って、ちょっと待ってぇぇぇ(@_@;)💦」
軽いパニック。
このあと、確かに視界がスッキリと晴れたように感じたのだが、
Kさんの指名をやめてしまった。
おなじ院で、別のスタッフを指名し始めたわたし。
中性的な男性だ。
共通の話題がなさそうなので、静かに施術をしてくれるだろうという期待。
この感覚は間違いなかった。
力強く指圧してくれる。
ピンポイントに、ダイレクトに。こちらの呼吸も加味しながらの施術はゴッドハンドそのもの。
これよ、こういうのがいいのよ!
自分で揉んでも絶対にできないであろう深層の筋肉までの揉みほぐし。
急にわしづかみにされた感覚なのだろうか。筋繊維の「ぎゃぁぁぁっっっ!!!」という悲鳴が聞こえるよう。
なのに、この男性スタッフは静かなもんだ。
こんなにわたしの内側は筋肉の阿鼻叫喚で満ちているのに、
彼はこちらが話しかけたら、その答えだけくれる。会話はそれだけ。
大満足。
ただ、Kさんとこの男性の違うところは、
手の温度。
この男性は手がとてもとても冷たいのだ。まるで氷の住人。
触れるときはタオルの上からだし、特に気にはならなかったけど。
美容に詳しい知人が後日、話していたのだが、
『手のひらの真ん中は掌中と言って大事なところ。
そこらへんの下手くそなマッサージ師や整体師の手は冷たい。
手当てされてても気持ち良くない。
セラピスト本人が冷え性って、気の巡りや血流が悪いんだから、他人の施術してる場合じゃないよね😂』
だそう。
なんかわからんけど衝撃を受けた。
あぁ、そっか。
お客様のこと考えて、癒しを与えたいって思って、自分のエネルギーでもって、Kさんは施術してくれてたんだ。
ちょっとトークはパンチが強いけど、内容はわたしの体を気遣ってのもの。
眠れなくて、随分と精神力が鍛えられる施術だけど、気付けば、心・感情まで癒されている。
20〜30分間寝るよりも、そうだな、次はまた、内側までトータルで癒されるに行こうか。
コメント