3/16.17 母と一泊二日、この豪華列車で旅をします。
2人で旅行に行くのは何年ぶりだろう。
四季島を知ったのは、ちょうど去年の初夏くらい。
仕事をやめてのんびりとしていたわたしは、家でYOUTUBEを見て1日過ごすことも多かったです。
旅チャンネルで列車オタクの人が乗っていたのがJR東日本のTRAN SUITE四季島でした。
変な形の列車だと思いました。
金色で頭の部分だけが黒く角ばっています。
こんなのに乗る人がいるんだなぁ、と思いました。
そのYOUTUBERは、祖母と2人で乗っていました。
2人1組のスイート。
「えっこんな贅沢に使うの?」と正直ひきました。
完全に、知らない世界です。
車内は和モダンの内装に統一され、車内だけでもすごく価値があると思いました。
各地の民芸品や伝統の逸品で彩られています。
スイートの他にはビューテラス、ラウンジ車、ダイニング車がありました。
食事も各地の名店のシェフや老舗ホテルの料理長が乗り込み、心づくしの料理が運ばれていました。
どの車両も細部までおもてなしの心が詰まっているのがわかりました。
自分がこの列車に母と乗るところがすぐに頭に浮かんできました。
オールインクルーシブの列車旅行。
母は、質素倹約が身に付いた人。
わたしが独立してからも一人で羽を伸ばすことなく、毎日仕事を頑張り、ほんの小さな贅沢で満足できている人。
こんな性格のおかげで、たくさんの上司や医師からかわいがってもらい、食事に連れて行ってもらいましたが、社交的でない母はそんな外食ですらあまり知らない。
旅行もわたしから誘わなければ自分では考え付きもしません。
母は、以前圧迫骨折をして背中が少し曲がってしまって、コルセットを着けています。
若い時は、娘のわたしから見てもきれいな人でしたが、今は少ないお給料からやりくりしている苦労が全身に見て取れます。
着るもの、肌(それでも年齢よりはだいぶ若く見えます)、しぐさ、考え方。
とにかく陰気くさい!
わたしもフリーターの身なので贅沢はできませんが、一度でもいいから母に贅沢をしてほしかった。
旅行代金からすると、私一人で2人分全て支払うことはできませんでしたが、その他東京までの旅費や前後泊のオプション代をわたしがもつから、行ってみないかと提案してみました。
「えぇ!?お母さんが?どうしよう着ていくものがないわ」
と第一声で困っていました。
また、これだ。
楽しいや嬉しいがぜんぜん出てこないんです。
「大丈夫、着るものもそれまでに一緒にそろえていけばいいじゃない!」
と何度も説得しました。
「一生に一度かもしれないしね・・」
と少しずつ母の心も動き始め、
「行ってみようか・・ふたりで一緒にくなら!」
とようやく行く気になりました。
どっちにしろ抽選だから、当たらなければそれまでなんだから!
と言ったのが決め手だったのかもしれません。
申し込み後しばらくして、7月に落選のお知らせハガキの到着。
そりゃそうだ。6~7倍の倍率だったはず。
どこか安心しました。
大金を支払わなくてもすんだというお金のブロックが働いていたのでしょう。
母にも伝えましたが、「そっか、仕方がないね」
と割と残念そうでした。
もしかしたら、自分が今までにしたことのない素敵な旅を想像していたのかもしれません。
11月、電話がかかってきました。
落選した旅行のツアーデスクでした。
催行日程の追加があり、抽選落ちした方に順番に連絡しているとのことでした。
即答しました。「行きます」
手が震えて、自分の手ではないような痺れた感覚でした。
何が起こったんだろう?
引き寄せが得意な人はこんなことは日常茶飯事かもしれません。
でも、これはわたしが初めて引き寄せた、自分では手の届かない事象でした。
今、書きながら自分でも本当に奇跡だなとしみじみ思います。
自分で自分のエネルギー値を高めるってこういうことなのだと実感しました。
母に、列車旅行に追加当選したことを伝えると、
「えっ!嬉しい!ドキドキするね。どうしよ~」と喜んでいました。
あれから4か月。
いよいよ今週末です。
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