60代男性の友達がいる。名はH氏としておこう。職業は建築業だという。
最近コミュニティで知り合ってから、お互いの趣味(孤独のグルメの聖地巡礼)の話から盛り上がり仲良くなった。
職業とは別にずっとやりたかったことがあったそうだ。
「恵まれない母子家庭に食事を配る団体に、ボランティアで参加してこようと思うんだよね」
と急に伝えられた次の週には実際に活動していた。
どうだったか尋ねると、
「子供がうれしそうに、『ありがとう!』と言って受け取る姿を見て、これだけで来た甲斐があったな。ウルっとしちゃったよ!これで稼ぐ目的が明確になったな!」
と喜々として話す。
H氏とお友達になってから、何度もお互いの夢を応援しあってきた。
わたしが自分の夢について、「わたしはこんなことがあったよ」と伝えると、
H氏は「俺はこんな風だったよ!」と軽快に、自身の報告も一緒にしてくれる。
これは私にとって、嬉しさ2倍だったりする。H氏は、わたしの行動を見て、自分も行動を起こしたと言ってくれたからだ。
「ありがとう、あなたのおかげです。きっと、この先何度も言うと思います」と伝えてくれたときのわたしの喜びと感動は、H氏にもわからないかもしれない。
母子家庭だったわたしたち母娘もいろんな人たちに支えられて今がある。
その好意を受け取られたご家庭がどんなに感謝のきもちでいるか、わかるような気がする。
わたしがいつか、好きな言葉だとH氏に伝えた「バタフライエフェクト」。
H氏の精神を真に受け取ったご家庭のお母さんやお子さんは「毎日の困難な生活からは抜け出せない」という自らがつくったストーリーを抜け出し、今、新しい現実を作っているかもしれない。
H氏が彼らにした提供は、H氏へは直接返ってこないかもしれない。
だけど、彼らが次のランナーにバトンを渡してくれるはず。
それが、まわりまわって大きなサプライがH氏に戻ってくるんだと思う、きっと。
「向上心」という言葉が好きだというH氏。
いつも高いところをめざし、努力している。
「向」っていう字の成り立ちは、古代中国の家。北側の高い位置にある窓のこと。
窓といっても、北側だから、通気の窓、通気口のことなんだって。
空気がある方向に向かって進行する様子を表した絵が元になってできた漢字らしい。
この字には、動きがある。風の動き。
わたしたちは、天から授かった才能を持って人生のミッションを成功させないといけない。(と考えている)
H氏の持っている才能の中には、「あたたかい空気感」があると思う。「話しているだけで、温かい」気分にみんながなれるから。ほんわかとしたやわらかい空気。その流れ。
H氏は間違いなく、あたたかい風を起こせる。
その風に乗ったバタフライが、また新しい風を起こしてくれるんだと、わたしはそう思う。
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